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妊婦たらいまわし事件の真実はどこに?

奈良県の妊婦たらいまわし事件とは?

2007年8月29日未明、奈良県橿原市の妊娠6カ月の女性が、
出血を伴う腹痛のため救急車で運ばれていたところ、
搬送を依頼した病院からことごとく断られるという、
いわゆる「たらいまわし」が行われ、妊婦は無事だったものの、
胎児は死産するという事件が起きました。

実は、奈良県は2006年にも同じようなたらいまわしの事件が起こっており、
当時からの改善が見られていない。
というようなことからも、テレビやインターネットから、
さまざまなバッシングを受けました。

そして、この事件を発端として、
他の都道府県でも同じような「妊婦のたらいまわし」が起こっていることもわかり、
私も含め、たくさんの方が、

  • 病院の対応がけしからん!
  • 国は何をやっているんだ!

と、深く嘆き、憤りをお感じになられたと思います。

 

しかし、奈良県の妊婦たらいまわし事件について、1歩深く調べてみると、
あるひとつの「事件」について知ることができました。

これは、妊婦のたらいまわし事件について、深く知ることができるだけではなく、

  • 物事の裏側を見ずに判断すること
  • メディアの一方的な報道のみを情報源すること

に対する警鐘のような感覚を抱きましたので、この記事をお読みの方にも紹介したいと思います。

福島県立大野病院の産婦人科医が逮捕された事件

2006年2月、帝王切開中の大量出血により妊婦が死亡した医療事故の件で、
業務上過失致死罪および、異状死の届出義務違反(医師法違反)で、
とある産婦人科医が刑事事件として逮捕されました。

この時のメディアの報道の仕方も、
「産婦人科医のミス」というような一方的なものであったらしいです。

しかし、この逮捕に関しては、
全国の産婦人科医や医師から不当逮捕だという声があがっており、
事故が起きた帝王切開手術に関しても、

”帝王切開に関しては全く手術ミスは無いのです。癒着胎盤という全分娩の0.01~0.04%という希有な疾患に対する医療事故です。”
参照)JANJAN

というような意見もあがっているのです。

 

そして、この産婦人科医の逮捕から、

”あちらこちらの自治体立病院で産科医が不足し、診療を中止した病院が相次いでいる。

少なくとも、医療的な視点で、この産婦人科医が逮捕されるだけの理由があると認定されるだけの違法性が明らかでないと、今後、誰も産婦人科医になる者はいなくなる。”
参照)伊関友伸のブログ

”事件後、県内の開業医や総合病院はわずかでも妊婦にリスクがあると、医大病院に送るようになった。「リスク回避」の動きは他県でも広がっている。”
参照)asahi.com

というふうに、病院、医師側がリスク回避せざるを得ない状況になってしまっているのです。

飛び込み出産(分娩)の増加

一方で、妊婦の側が、かかりつけの産科医を持たないで、
陣痛が始まってから、病院に駆け込むという、
「飛び込み出産・飛び込み分娩」
が急増しています。

これは、

  • 金銭的な問題で妊婦検診を受けられない(トータルで10万円ほど)
  • 近くに産婦人科がない

などの理由があるようで、一方的に妊婦を責められないケースはありますが、
先日、テレビに出演していた産科医によると、
母子ともに事前情報がない場合の出産のリスクや病院側の対応は、
妊婦検診を受けている場合の何倍にもなってしまうとのことでした。

出産リスクが高まると、母子の生命の危険と、
病院側の責任という点でもリスクが高まります。

 

ここで、上記の「産婦人科医が逮捕される事件」との関連性に気がつくと思います。

避けられないミスなどにより、病院側の落ち度でもないのに、
医師が逮捕されることになると、
リスクの高い飛び込み出産(分娩)は、
ますますたらい回しにされていくのです。

  • 妊婦側が妊婦検診を受けず、かかりつけの産科医がいない
  • 法律により医師が過剰な裁きを受けるため、リスクの高い出産は避けざるをえない

この悪循環によって出てきた膿のようなものが、
妊婦のたらいまわしと言えるだろうと思います。

せめて、妊婦検診をきちんと受けてもらえれば、
妊婦のたらい回し件数は減ると思うのですが、
現在のところ、2回だけ妊婦検診を公費で受けられることにとどまっています。

しかし、公費負担を増やすことができるほど体力(お金)のある自治体はどれだけあるでしょうか?

うまくいっている宮崎県の分娩制度

宮崎県の周産期死亡率が、全国で1番低いのは、
独自の分娩制度がうまくいっているからだと言われています。

参考)日本一安全な分娩

宮崎県は、一次分娩施設、二次分娩施設、三次分娩施設と、
それぞれの役割を明確にし、
県民に一番身近な一次分娩施設には、どこの地域からでも、
救急車で60分以内に到着できるようになっており、
どの周産期センターも搬送された患者さんは必ず受け入れる体制ができています。

そして、出産リスクが高いと判断された場合は、
施設の整っている二次分娩施設、三次分娩施設へと、
搬送されるという仕組みになっています。

他都道府県のように場当たり的な搬送ではなく、
きちんとシステム化されているところが、日本一安全な分娩という結果をもたらしています。

国主導で良い分娩制度の確立を!

各団体からの要請や働きかけもあり、
厚生労働省は、確実に動き始めているようです。(2007年10月現在:舛添要一大臣)

宮崎県のようなうまくいっているモデルを見本として、
全国で格差のない統一化されたシステムを作ってもらいたいと思います。

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みんなの意見・感想・アイデア

私は現在妊娠5ヶ月の妊婦です。一年前に出産した友人の出産時の体験談を書かせていただきます。里帰り出産の予定が里帰りする前に破水し、妊娠9ヶ月でそのまま現在住んでいる地域の病院で出産・・・となってしまったそうなのですが、かかりつけの病院が低体重児、いわゆる未熟児を受け入れる設備が整っておらず、他の産院にはもちろんかかっていませんので受け入れを探したところ、3件の救急指定の産院から拒否されたそうです。最終的に母子共に無事出産できたそうですが、搬送された病院は住んでいる地域から救急車で一時間かかる所だったそうです。出産後も赤ちゃんは未熟児なので当然ママより1ヶ月ほど長く入院。友人は産後の体調回復もままならない体で、実家も遠く誰にも頼れずに、退院後毎日電車で1時間以上かけ病院へ母乳を届けに通ったそうです。少子化だからたくさん産め!と国も自治体も言いますが、女性は命がけで出産するのです。赤ちゃんも祝福され大人たちに守られ誕生しなければいけません。私達もそうやってこの世に生まれてきたはずです。女性が安心して妊娠、出産できる環境が当然整ってこそ成り立つ人間の存在ではありませんか?女は産む機械だと発言した方も、誰のおかげで飯が食えると思ってるんだ!と奥様に怒鳴る男性も、女から産んでもらったんじゃないんですか?男性が威張れる社会はごまんとあります。なぜ命をかけて必死の思いで赤ちゃんを産み育てる女性がこんな思いをしなくてはいけないのでしょうか。女性は命と人生をかけ出産し家庭を守ります。女性と子供が安心して暮らせるよう外から守り戦うのが男性の仕事ではないでしょうか。政治家も働く社会も大半が男性です。妊婦たらいまわし問題だけに限りませんが、そういった社会を作り出したのも、また正せるのも男性方ではないでしょうか。人間が誕生するという原点、あらゆる事の基本中の基本すら不安を感じるこの現状は、絶対にあってはならない事態だと思います。

  国は少子化対策とやらをうたっているが、そんなことより不妊治療と妊婦検診・出産の費用を無料にすれば解決すると思います。子供が欲しいけど不妊治療の費用が高くて・・・。妊婦検診の費用がだせない・・・。などの理由から出産を諦めている人は多いと思います。

奈良県の妊婦たらい回し事件として報道された件についてですが、この妊婦はきちんとした検診を受けていないだけでなく、以前にかかっていた病院への医療費を払わず踏み倒していたそうです。ここまできちんと報道したマスコミはあったでしょうか。無責任すぎる報道に憤りを覚えます。
>mimozaさん
無料にすればいいと言うだけは簡単ですが、その財源はどこなのでしょうか。仮に無料にしたとして、そのツケが他で出てきた場合の対策はどうなるんでしょうか。ちゃんと考えていたらそんな軽率な発言はできないと思います。また、産みさえすれば良いのではなく、その後の養育こそ費用もかかります。単にこれだけすればいいなどという簡単な問題では、私はないと思います。

病院側は命を助けようと一生懸命です。患者やその家族は助けて欲しいと心から思います。誰もが一生懸命です。自分の病院では施設が整っていない、他の病院ならもっとリスクが少なくできるだろう。その方が患者の命は安全だろう。そう思って断ることがほとんどでしょう。
つまり、たらいまわしは事件ではなく、事故ではないでしょうか。
ではどうしたらこの事故を防げるでしょうか。産科医不足、NICU不足をどうしたら止められるでしょうか。小児科医も不足しています。それらの科で医師がとくに不足している原因は、訴えられる事が多いから?大変だから?
きっと様々な理由があるでしょう。その一つ一つを取り除く事が大切でしょう。
まずは国が不足している原因を調査をするべきだと思います。国レベルでこの問題を解決しなければ、前には進まないでしょう。


やはり個人や一病院の努力では如何ともし難い状況でしょう。宮崎県の例がどの程度うまく機能しているかよく分かりませんが、かなり先進的であることは事実のようです。少なくとも府県レベルで先ずはシステムの見直しをしなくてはいけないと思います。少子化社会到来を織り込まれ、世界的な投資対象から日本は阻害されつつある現状ですが、このような医療体制ではますます少子化に拍車がかかることでしょう。長中期的には医療システム改善とフランスのように大学まで子供は学費無料のような思い切った資金投入を国が行わないと、将来大きな付けが国民に降りかかるのではと思います。確かに国民の負担は一時的に増えることになるのですが、無駄な道路を造るよりは子供に投資したほうが、将来的に国は栄えて国民が幸せになるのではないでしょうか。

その方が通りがよいのはわかります。

でも、

「たらい回し」という表現、止めることは出来ませんか?余計なネガティブイメージがたくさん付いてきます。

大淀もそうですけど、よその国なら母児とも亡くなるケースで、頑張って子供を助けているんですよね。報道に従事する人達の考え方が「今の日本みたい」じゃなければ、「たらい回しで妊婦死亡」ではなく「新生児助かる、残念ながら母親は死亡」という記事なりテレビニュースになるんじゃないかと。

医師不足と言うけれど、毎年何千という学生が卒業して医師になっている。少ないというのは、医師の数ではなく勤務している人の数のことを指す。開業している人はたくさんいるから。いっそ、開業やめてもらって全員ちゃんと大きい病院に勤めてもらった方がありがたい。小さいクリニックで面倒見切れなくなったら、いきなり救急車で運ばれなくてはいけなくなるという心配もなくなる。

私は9月に女の子を出産した新米ママです。
妊婦のたらいまわし、今日見た新生児たらいまわしのニュースを見て、胸が痛みます。
ヘタをしたら、私もトラブルで救急車のお世話になり、たら回しに合う可能性があったんだなぁと思うと、出産した今でも怖いと思いました。
医師になるための勉強はしても、実際医師として働く人が少ない=医師不足に繋がる。
私は政治に詳しくないすが、政治家が医師の数を限定したようですね。
それが原因ではないでしょうか?

>>玲子さん
医療費の踏み倒し、検診を受けなかったのは、確かに妊婦側に問題があります。
それは分かります。
ですが、玲子さんのコメントを読む限り「検診もロクに受けない、医療費を踏み倒してる。たらい回しにされても仕方がない」って意味にも取れますよ。
同じ女性の意見とは、到底思えません!


私は今学校でたらいまわしのことに
ついて調べ学習をしています。
頑張ってしらべたいと思います(∀)★

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